竹富島で日本人のルーツを考える

AIの時代に幸せに生きるヒント 4


「創造価値」の実現

 あなたが仕事をしていて、なぜこんな仕事を毎日しなければならないだろうと疑問を持たれたら、「創造価値」を思い出してください。この仕事をすることによって、「だれかのため」「何かのため」に意味のあることを実現しているのだと思ってください。職場や家庭、また趣味のサークルやボランティアなどで、「創造価値」を実現しているのです。


「体験価値」の実現

 もしあなたが、定年になり、あるいは体が弱って仕事ができなくなったら、「体験価値」 を思い出してください。体験価値は創造価値とはまったく異なる領域にあります。収入が少なくても、欲しい物を買えなくても、美味しいものを食べれなくても、人間はだれでも同じように 「体験価値」を実現できます。感動的な音楽を聴いたり、息をのむ美しい風景を見て、心から「生きていてよかった!」という感動を味わうことができます。
 私たちは、日常生活で、もっと多く、もっと早くという量的な機能性を強いられますが、時々普段の生活から上手く抜け出ることを学べば、人生の本当の質的な素晴らしさを味わうことができるのです。
 最近、そのよい例がありました。ご主人を亡くされた年配の婦人が、組紐(くみひも)を始めた話です。組紐の歴史は古く、奈良時代から和服、武具、帯締めなどに使われてきた日本古来の伝統工芸品です。複数の糸を交差させながら組み上げて作るのですが、非効率的で時間がかかり、編むのに大変難しいというのです。それが長い時間をかけてきれいに仕上がったときは、「できた!」と喜びが込み上げて来て、頭がすっきりして幸せを感じるというのです。これも「体験価値」が実現したのです。

 フランクルは、人がどれくらい長く生きたか、どのくらいたくさんの業績を残したかで、その人の一生の満足度を測ることはできない、その人の人生の価値を決めるのは、量ではなく、「どのように生きるのか」というその質と濃さよるものであると述べています。

 「体験価値」の中でも、とりわけ深い感銘を与えてくれるのは人と人との関わりです。特に私はそう思います。私が小学校のころ、通信簿が親に渡されました。そのメモ欄に、「お宅のお子さんは、休み時間になっても机に一人でじっと座って誰とも話しません。どこか悪いのではないでしょうか?」と書かれてあったようです。心配した母親に「本当なの?」としつこく聞かれたことを覚えています。幼少期、病弱だった私は、人見知りで無口でした。
 生来孤独な私が、よりによって人と関わる気功の施術や、ヨーガ教室を始めたことが不思議でなりません。人と人との出遭いによって、私は今まで知らなかった世界を知ることができるようになりました。一人ひとりの世界にちりばめられている価値も認識することができました。私の心に新しい窓ができて、そこから新しい世界へ結びつき、さらに新しい「意味」を発見することができたのです。私は、その「体験価値」にいつも感謝しています。

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